To the forest – From my garden –

『Radio wave (Chausudake/茶臼岳)』2023/紙、ポストカード、真鍮

『Untitled (To the forest)』2022/コラージュ、ドローイング

『Sunny days #5』2023/枝、アルミ、紙

『A small landscape #41』2022/木、紙、インク

『Lichenscape #3』2022/地衣類、マッチ、マッチ箱

『Into the wild』2023/木、インク、枝、写真

『House #3』2023/枝、針金、写真、アクリル絵の具

『Reindeer room』2023/写真、ステッカー、木、プラスチック、絵葉書

INFORMATION

会期

2023年12月1日(金)~ 2023年12月23日(土)

開催時間

13:00~18:00

休廊

日曜日・祝日
※休廊:12月13日(水)~12月18日(月)

概要

 この度、フラットリバーギャラリーでは2023年12月1日より外川麻未展を開催いたします。
 外川麻未は風景を作ります。少しとぼけたその風景は手にした途端、崩れて別のものに異化してしまいそうなほど繊細で危うく感じられます。まるで普段は記憶の奥底にしまい込まれていますが、ふと思い出した次の瞬間には忘却してしまうほど微かな記憶の中にある情景の一部のようです。個の記憶が、かつて経験したであろう平穏、かつて目にしたはずであろう日常、かつて接したであろう品々の集積によって形成されていると仮定した場合、過去の物品が記憶の一部を惹起させるためのスイッチとして機能することは珍しくありません。例えそれが自身と接点の無い媒体であったとしても、ある種の普遍性を有してさえいれば、既視感を惹起させる要因となり得る可能性は否定できないと言えるでしょう。
 外川はコラージュやブリコラージュといった方法論を用いつつ、作家の見立てによって選別され手を加えられたた素材を組み合わせ構成することにより独特な空気感や間合いを創出します。いい意味で抜け感のある外川の作品は、所謂ジョゼフ・コーネル的紋切り型の絶妙さを巧妙に回避しつつ軽妙に作品として涼しくバランスさせます。また外川書店として2011年からZINE『音信』を精力的に発行しています。こちらの活動も作品制作と通底しているテイストが色濃く感じられ興味深く見逃すことができません。この機会に是非ご高覧ください。

フラットリバーギャラリー企画

STATEMENT

 今年の夏は自宅の庭にびっしりと生えたゼニゴケを取り除き、地面に空気を入れるように新しい土と混ぜ合わせ、何本か木の苗を植えた。そのうちの一つにブルーベリーの木があり、何週間も経つとその苗は青紫の実をつけた。去年の夏はヨーテボリの森でブルーベリーを採っていた。滞在先の周辺の森にわんさかと実がなっていた。

 ブルーベリーの実を見ると、目の前にあの森が浮かんでくる。あの森にいた鹿のこと、近所のおばさんと山の見晴らしのいいところでフィーカしたことや、自然が身近な土地にもかかわらず、トラムでは現金が使えないこと。船に乗って周辺の島へ行った。岩にはびっしりと地衣類のコロニーがあった。強い風が吹く日が多く、次の日には沢山の枝が落ちていた。木の実も落ちていた。

 午前中だというのにもう30℃もあるアスファルトの坂道を歩いていると、木の皮が沢山落ちていた。昨晩は風が強かっただろうか。室外機の熱風をあびながら、都心のビルの屋上から橋や電車を眺めた。

外川麻未(2023年9月)

ARTIST

美術家。2011年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース 修了。
東京を活動拠点とし、風景をテーマに彫刻やコラージュをメインメディアとして制作する。また、外川書店の名義で2011年よりZINE『音信』を発行。2012年に渡独、2020年までベルリンを中心に活動。
近年の活動に、スタジオグロスとのコラボレーション『人間の家はソフトなまち/The Home of [Hu]Man is a Soft Town』で第48回日新工業建築設計競技、佳作(2021年)。個展『To the forest -Hibernation-』 (2022年、Galleri Konstepidemin、ヨーテボリ)、アーティスト・イン・レジデンスでヨーテボリ(2022年、Konstepidemin)に滞在。

asamitogawa.com

PRODUCTS

ASAMI TOGAWA Stamp set
「Reindeer composition」

価格:¥2,750(税込)

※オリジナルスタンプ+インクパッド2個
(会場にてお好きな2色をお選びください)

購入:会期中はギャラリーにて販売。